山下弁護士のコラム

2015.10.28更新

 普通の会社であれば,労災保険(通称)に加入しています。そのため,仕事中の事故で大怪我をした場合,まずは労災認定をしてもらうことから始まります。労災が認められれば,治療費は全額負担してもらえます。また,一定の場合には慰謝料等を支払ってもらえることもあります。労災保険は無過失責任ですので,事故の発生に会社の過失があったかどうかは関係ありません。

 ところで,会社によっては,労災申請を嫌がることがあります。本来,労災申請をする権利があるのに,「派遣アルバイトには労災を使う権利がない」などと言って労災を申請させないなどといった、いわゆる「労災隠し」です。労災隠しは当然違法です。仕事中の事故で怪我をしたのに会社から労災申請を拒否されるようなことがあれば,速やかに法律相談を申し込まれることをお勧めします。

 また,労災の認定を受け,一定の休業損害・慰謝料等を支払ってもらった場合,それで終わりなのでしょうか。

 先に述べたとおり,労災保険は無過失責任です。事故の発生に会社の過失は必要ありません。会社に過失がない場合,労災保険から支払われる金銭以外の給付は受けられません。しかし,事故の発生に,会社(あるいは他の従業員)の過失があった場合,話は別です。会社に対して,不法行為責任,使用者責任を追求することが可能になります。そのため,労災保険から支払われた金銭以上に,会社から休業損害・入通院慰謝料・後遺障害慰謝料・逸失利益等を支払ってもらえることもあります。会社によっては,「労災から金銭が支払われているのだからそれ以上の金銭を支払わない。」などと述べることもありますが,これは法的には認められません。

 このように,仕事中の事故に,会社あるいは他の従業員に過失がある場合には,労災申請以外に,会社に対して損害賠償請求をすることが考えられます。仕事中の事故に過失があるかどうか,あるとしてどの程度の損害が発生していると評価するべきか,疑問に思われた方は弁護士による無料相談を申し込まれることをお勧めします。

投稿者: 弁護士 山下 陽

2015.10.27更新

 皆さん,自分の労働に見合った給料を支払ってもらっているでしょうか。9時から17時までの契約なのに19時近くまで働かされて残業代も払ってもらえない,昼休みも職場内待機や電話対応を強制されている,土日の出勤を命じられたが給料は平日と同じなどなど,不満を持ったことはないでしょうか。

 1日8時間,週40時間を超える労働は残業となり,残業代(割増賃金)が発生します。また,休憩時間は完全に労務から解放されていることが必要なので,職場内待機や電話対応を求められている時間は労働時間となります。その他,深夜労働や土日出勤などは,割増賃金の支払いが必要となる場合があります。

 しかし,特に中小企業では,これらの割増賃金が支払われないことが多くあります。割増賃金どころか,残業時間に関しては基本賃金すら支払われないこともあります。この残業代・割増賃金を払ってもらうためにはどうしたら良いでしょうか。

 まず,自分が働いていた時間を正確に記録することが必要です。タイムカードがある場合は良いのですが,ない場合(あるいはタイムカードを押した後の残業を要請された場合),かならず始業・終業時間のメモを取るようにしてください。また,休憩時間中の待機や労働を指示された場合は,その内容・時間のメモを取ってください。一緒に働く方が協力してくれるのであれば,その方に証言してもらうという方法もあるでしょう。

 その上で,会社に対して残業代・割増賃金等の請求をすることになります。ただ,残業代・割増賃金の計算は難しい問題もあることから,事前に専門家である弁護士に相談することをお勧めします。なお,請求できる期間は2年前までに限られますので,その点からも早めの相談をお勧めします。

 残業代等を請求するとその後会社で働きにくくなる,という気持ちを持つ方もいらっしゃるでしょう。しかし,労働の正当な対価を受け取ることは当然の権利です。この権利を行使したことを理由に,会社が解雇や降格等の

,請求者に不利益な取り扱いをすることは禁止されています。勇気を持って声を上げることが,何よりも大事なことと言えるでしょう。

投稿者: 弁護士 山下 陽

お困り事がある方は、まず30分の無料相談をご利用ください。 ときわ綜合法律事務所  弁護士 山下 陽  047-367-5544  ご質問はこちらから
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